ドイツのソルブ人/ヴェンド人についての簡単な案内書
    
 

 

ヴォイェレツィ ホイヤースヴェルダ 地域のソルブ人

ヴォイエレツィ/ホイヤースヴェルダ地域は人の一生という極めて短い時間で人間の活動が風景の特徴を変えてしまう一つの例である。 80 年前、ここは松林が果てしなく広がっており、林の中にはおびただしい池が点在していた。高馬力のパワーシャベルが褐炭を採掘するために巨大な堀を掘り続けてきた。かつてヴォイエレツィの荒れ地にいたソルブ人農民は藁葺きの農家を建てて暮らし、朝から晩まで働いて砂地からわずかな生活の糧を得ていた。今、その荒れ地は、巨大なパワーシャベルのベルトコンベアーがガーガー音を建てて動いている。そして、貨物機関車が汽笛を響かせて、採掘した石炭を積んだ貨車を練炭工場に引いていくようなところとなった。褐炭採掘が終わったところではボタ山が広がっており、現在では松や白樺の苗木と若木を再び植えて緑化を行っている。しかし、多くの場所では、広大でぽっかりと開いた穴がある。この穴は次第に水をたたえるようになった。ドイツ民主共和国時代末期、採鉱地域では褐炭作業の後に完全に荒廃した土地が残った。

褐炭採鉱、練炭工場とその関連産業というモノカルチャー経済の到来によって、住民構成が変化した。この地域に住むソルブ人農民の大部分は自分の土地を鉱山業者に売却し、他の場所に移った。彼らの多くは褐炭鉱山や練炭工場の労働者となった。これらの企業の中でソルブ語を保持しようとする多くの努力が払われたのにも関わらず、生産現場ではソルブ語の伝達手段としての機能が失われた。  約一万六千人の作業員を擁する「黒いポンプ」という巨大な褐炭製錬所とヴォイエレツィの「社会主義の第二住宅都市」としての造成によってドイツ民主共和国全地域から労働者が流入してきた。その結果、後々まで残る住民構成の変化をもたらした。

20 世紀初頭、ヴォイエレツィ地域は住民のほとんど多くがソルブ人だった。ヴォイエレツィはソルブ人の歴史的出来事のもととなる多くの伝統がある。その中でとても重要なのはウァズ/ローサで牧師と詩人の活動をしていたハンドリー=ゼイラーである。彼の民俗的(庶民的)な歌や詩はソルブ人の民族感情を目覚めさせ、強固なものとし、ソルブ人の生活の一部となった。また、ソルブ人作家のクシェスチャン=クルマン(1805-69)とヤン=ボグミウ=ファブリチウス(1825-1904)、そして、優れた学者で、作家であり、出版者でもあったヤン=アルノシュト=スモーラーもヴォイエレツィ地域出身である。

1846 年 10 月7日と 1851 年 10 月 8日に作曲家コルラ=アウグスト=コツォルの指導で第三回と第十回のソルブ音楽祭が行われたのはヴォイエレツィである。

1885 年2月1日、ソルブ農民同盟がヴォイエレツィで結成された。また、 1912 年 10 月 13 日にウジツァ地方のソルブ人団体の連合体であるドモヴィナの設立式もここで行われた。当初、これらのソルブ人の伝統に従い、ヴォイエレツィにソルブ人の中心的な団体の建物が建設される予定だった。それどころか、 1956 年にはソルブ人民劇団、ソルブ民族歌舞団とその他多くのソルブ人組織の建物の建築が計画されていた。そうして、工業化がもたらしたソルブ語とソルブ文化の消滅を食い止めようとした。結局、これらの組織は単にブディシンが大昔から上ウジツァの中心都市として機能してきたという理由でブディシンを本拠地にすることとなった。

それでも、ソルブ人とドイツ人住民相互の健全な交流を確実なものとするために多くの試みが行われ、今でも行われている。その代表例として、授業で二言語を教授するハンドリー=ゼイラー中等学校、ゼンフテンベルガー通りのヤツヴァウク伝統的民族衣装館とヴォイエレツィ市博物館のソルブ文化の常設展示がある。旧市街にはドモヴィナの設立を記念して刻まれた陶器のプレートがある。    特に我々の今日の社会問題の兆候として、これは主にヴォイエレツィ地域についていえることだが、褐炭産業の急速な衰退とそれに伴う高い失業率があげられる。それでもヴォイエレツィ郡とヴォイエレツィ市は、新たに設立された諸協会と協力して、ソルブ語とソルブ文化の保護育成に努めている。

我々の地域で見ることができる伝統豊かな催物はクーロウ/ヴィッティヒェナウの復活祭の騎馬行列、ノヴァ・ウーカ/ベルゲン・ノイヴィーゼの復活祭の飾り卵市場、ブリェトニャ・ミハウキ/ブレーテン・ミヒャルケンの村祭り、そしてヴォイエレツィの収穫祭である。ヴォイエレツィ郡とヴォイエレツィ市における全ての災難をものともせず、我々の地域でソルブ人とドイツ人住民が協力することは健全で安心できる未来をもたらすだろう。

ヴォイエレツィ郷土史会   会員
マンフレット=ミュラー(Manfred Müller)

*より詳しい情報は下記の場所で提供しています。
Trachtenhaus Johann Jatzwauk
Senftenberger Straße 19
02977 Wojerecy / Hoyerswerd
tel. 0 35 71 - 84 85